昨日の病院の朝食です。

P_20201216_074831_1

 38時間ぶりの食事です。
 結局、入院中の食事は2回でした。
 1日目の夕食、2日目が一日中絶食、3日目が朝食だけで、お昼前に退院しました。
 ちょっと痩せたかもしれません。


 生検は、麻酔が効いて痛くなかったのですが、その後のベッドでの安静がけっこう辛かったです。
 尿の管と点滴の管があったので、寝返りができずに腰と背中が痛くて、ほとんど熟睡できませんでした。


 尿の管を外してもらった後、オムツの中にはけっこう血がついていました。
 最初の小便は痛みを感じましたが、血尿は治まっていました。
 血便は、昨晩まで続きました。

 摘出した14か所の細胞を検査に出して、その結果は次回の診察の時に分かります。



 病院に持ってきた本です。

 時間がけっこうあったので、すぐに読み終えました。
 2冊持ってくればよかったと後悔しました。

始まりの木 [ 夏川 草介 ]
始まりの木 [ 夏川 草介 ]
始まりの木【電子書籍】[ 夏川草介 ]

 大学で民俗学を研究している人たちが登場人物です。



 さり気なくて、深みのある小説です。特に大きな事件はないのですが、登場人物の独特なキャラクターと味のある会話の内容が読者を飽きさせません。


 私が工学部を中退して、文学部の史学科に編入学した時、考古学や民俗学は脚光を浴びていました。(少なくとも今よりは)
 考古学、民俗学にも関心がありましたが、各研究室をまわって、結局、文献学を専攻することにしました。


 考古学は、発掘調査の技術など徒弟的な人間関係があり、編入学した人間が途中で割り込める雰囲気がありませんでした。


 民俗学にも興味があったのですが、フィールドワークに費やす時間とお金がないので諦めました。


 消去法で文献学にしたのですが、文献学も図書館の本だけでは調べられず、現地に赴いて資料にあたる必要がありました。


 「始まりの木」の小説の舞台は、弘前市、京都市、松本市、宿毛市、東京都です。


 宿毛市の話では、9月に亡くなった四万十市の叔父さんから聞いた県立宿毛病院や中村の総合病院の名前、四国巡礼のお遍路さんの話が出てきました。


 「神や仏は信じるのではなく感じるものだ」という言葉が印象に残っています。


 古来、日本人は集落の中にあった大きな木や岩などに宿っている神(精霊)を感じながら、神に見守られて、自然と共に生きてきました。


 そのような生き方を忘れた日本人に対する著者の警鐘(メッセージ)が感じられます。


 著者は、現役のお医者さんです。他の著書も読んでみたいと思いました。
スポンサーリンク